【今さら聞けない】スマホの速度「上り・下り」とは?|受信速度が大事な理由

スマホの基礎の基礎 格安スマホの基礎
  • スマホの通信速度の「上り・下り」の意味とは?
  • 「送信時最大速度」より「受信時最大速度」が重要視されるのはなぜ?
  • 通信会社のパンフレットやホームページで目にする「ベストエフォート方式」とは?

本記事では、通信事業社のパンフレやホームページに書かれている「受信時最大速度」の解説と、「ベストエフォート」という言葉の意味をわかりやすく説明します。

格安スマホの会社を選んだり、自宅の固定回線を選ぶときに役立つ豆知識です。2分もあれば読み終わるので、サクッと身につけちゃいましょう。

この記事でお伝えすること
  • 受信速度と送信速度
  • 速度で会社を選ぶ基準は?
  • 受信時最大速度とは?
  • ベストエフォートとは?

通信の基礎用語【上り=送信・下り=受信】

受信時最大速度って何ですか?

「上り・下り」の説明の前に、ちょっと知っておいてほしいのが「基地局」についてです。

インターネットへの入口である基地局

基地局はインターネットの入り口

私たちが使っているスマホの電波は、地域ごとに置かれた基地局(きちきょく)に届いて、そこから交換機などを経てインターネットに流れていきます。

流れていくという表現は正しくないかもしれませんが、イメージとして捉えてもらえればOKです。

基地局は電波塔のようなもので、その基地局がカバーする範囲にあるスマホの電波とやり取りをします。

基地局は山間部や海上など、人に住んでいない地域には置かれていません。

また、都会や街なかでも、地下やトンネルの中などでは、基地局に電波が届かないので圏外となることがあります。

ただ、地下街や地下鉄の中でも通信ができる場所があるのは、基地局の子機が設置されているからです。

基地局はインターネットへの入り口なので、とても重要な設備です。

受信速度は【基地局→スマホ】への通信速度

スマホから基地局への通信を送信(上り)、基地局からスマホへの通信を受信(下り)と呼びます

基地局への上り基地局からの下り

私たちがスマホを使うシーンを振り返ってみると、自分のスマホから送信する主なものは、メールやLINEなどのテキスト(文字)データです。

反対に、Webサイトを見たり、動画の視聴や音楽のダウンロードなど、受信(下り)は画像データが多いのが一般的。

テキストデータに比べると、画像や動画のデータ量は遥かに多くなります。

なので、スマートフォンの利用では、圧倒的に受信での利用の割合が大きいため、受信速度が通信機能の性能を判断する基準となっているのです。

いやいや、ツイッターとかインスタで写真をアップしたり、LINEで写真や動画を友だちに送ることだってあるよ。送信速度だって大事だよね?

確かに、送信速度が全く関係ないとうわけではありません。

でも、私たちが日常的にスマホや携帯電話を操作するシーンを考えると、「送信が遅くて困る」というより「地図の読み込みが遅い!」「サイトがなかなか開けない!」という方がイライラしますよね?

なので、通信事業の会社は、受信速度をメインにして通信機能の品質を表わしています。

通信機能の目安とされている「最大データ通信速度」は、多くの場合、受信の速度で書かれています。

基準は受信速度。でも参考程度に

じゃあ、通信速度を基準に通信会社を選ぶのなら、受信速度の速いところを選べばいいのね!

受信速度の速い会社を選ぶことは間違いではないのですが、次の2つのことに注意しなければなりません。

  • 受信速度は、地理的な環境や利用者の変化に左右される
  • パンフレットやホームページに書かれている最大受信速度は、実際に測定されたものではない

受信速度は、地理的な環境や利用者の変化に左右される

例えば、ある時、いくつかの通信会社の受信速度を比較して、一番速い会社を選んだとしても、その会社がキャンペーンなどを行って利用者が増えると、受信速度は一番ではなくなる可能性があります。

もちろん、その会社がキャンペーンに対応できるよう、基地局を増やすなどの対策をとっていればそのまま一番の速さを維持できますが、それは確定的ではありません。

なので、速さを基準にすること自体は間違いではありませんが、目安、あるいは参考程度にとどめておくべきです。

あるいは、なるべく多くの会社で比較して、上位の中から選ぶようにすることです。

パンフレットやホームページに書かれている最大受信速度は、実際に測定されたものではない

「最大受信速度」とか「最大データ通信速度」など、「最大」と書かれていますが、これはあくまで計算上での数字ということです。

実際には建物が障害になったり、短時間に通信する人が集まったりするなどの条件で、通信速度は計算上の数字より遅くなります。

「最大」と書かれている速度より、実際の速度は下回ります。

例:受信時最大の表記と実測はかなり違う NTTドコモホームページより

NTT受信時最大
NTTドコモHPより https://www.nttdocomo.co.jp/area/premium_4g/
NTTドコモ実測値
NTTドコモHPより https://www.nttdocomo.co.jp/area/effective_speed/?icid=CRP_AREA_premium_4g_to_CRP_AREA_effective_speed

受信時最大1.7ギガbpsに対して、実効速度は168メガbps〜299メガbpsとなっています

ベストエフォート方式ってどういう意味?

携帯会社のパンフレットやホームページには、通信速度の説明の欄に「ベストエフォート」という言葉を見かけることがあります。

通信速度は、技術規格上の最大値であり、実際の通信速度を示すものではありません。ベストエフォート方式による提供となり、実際の通信速度は、通信環境やネットワークの混雑状況に応じて変化します。

NTTドコモ https://www.nttdocomo.co.jp/area/premium_4g/ より

ここでのベストエフォート方式とは、以下のような意味となります。

最大値が出るように努力しますが、回線が混雑したり、設備の能力を超える負荷やトラブルが発生した場合は、最大の数値で安定してりようできることを保証するものではありません。

要するに、「通常の範囲内であればパンフレット通りのサービスを提供しますが、状況によっては通信の品質を保つことができませんよ。」という意味ですね。

この「ベストエフォート方式」に対して「ギャランティー方式」というのがあります。

ギャランティー方式は、どのような状況下でも質の高い通信が保証されるため、設備やメンテナンスにかかる費用も含まれるので契約料も高額です。

一般的なユーザーはベストエフォート方式、企業や公的インフラはギャランティー方式が使われます。

今回は、スマートフォンと基地局の関係を基に、以下のことを説明しました。

  • 受信速度と送信速度
  • どうして受信速度が大事なのか
  • 速度に「最大」がつく理由
  • ベストエフォート方式とは

基地局から端末(スマートフォンや携帯電話)に送られるデータを速く受け取れることは、通信の品質が高いことを表します。

以上となりますが、本記事が、格安スマホ会社や通信事業会社を選ぶ際の参考になりましたら幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました